小久慈焼のはじまりは約200年前、江戸時代後期に遡ります。
初代 熊谷甚右衛門が相馬より招いた陶工 嘉蔵にその技術を学んだのち、地元久慈で採れる粘土と釉薬で独自の焼きものを創り出したのが起源と言われています。
主に日用の雑器として用いられ、八戸藩に納められたとの記録も残っています。
やがてどの家庭にも必ずひとつふたつはあると言って良いほど地元に親しまれるようになり、明治時代には、この地を訪れた民藝運動家 柳宗悦によって高く評価されました。
時代の移ろいとともに、生活の様式も変わります。それに合わせて小久慈焼のかたちも少しずつ変遷して来ましたが、原点である地元の粘土と釉薬を使うこと、それだけは変えずに守り続けています。
この土地に育まれたうつわが、何気ない日々の暮らしに寄り添うように。
そんな思いを込めて、ひとつひとつ手作りしています。